インビザラインプロバイダーとは?歯科医院の選び方を踏まえて解説

歯列矯正をするにあたって、きっと多くの方が通う歯科医院について調べたりすると思います。
下調べする中で、マウスピース型の歯列矯正「インビザライン」には「インビザラインプロバイダー」というアライン社が主催する独自のステータスランクがあります。経験や実績が豊富な歯科医院ほど、そのステータスは上がり、「ゴールドプロバイダー」や「プラチナプロバイダー」など種類は様々です。

今回はそんなインビザラインプロバイダーについてと、それをもとにどのように歯科医院を選べばいいのかについてご紹介いたします。

目次

そもそもインビザラインとは?

Transparent teeth aligners in a box.

インビザラインとは、透明なプラスチック製マウスピースを用いた歯科矯正方法の1つのことです。マウスピースによって歯を少しずつ動かしていき、数週間ごとにマウスピースを交換することで歯並びをキレイに整えていきます。
従来のワイヤー矯正と違って、周りから矯正していることが目立ちにくいことや、取り外しが可能なため、日常生活で違和感が少ないことが特徴です。

インビザラインプロバイダーとは?

Hanging question mark on blue background stock photo

マウスピースを用いた歯列矯正:インビザラインですが、「インビザラインプロバイダー」というライセンスがあります。
その「インビザラインプロバイダー」とは、歯科医院の年間の症例数に応じて認定されるステータスランクのことです。規定により、1年間においての症例数によってランクは振り分けられますが、1年ごとにリセットされます。

このように、インビザラインプロバイダーは症例数によって付与されるため、その歯科医院の実績や経験を表すものです。そのため、患者さんにとってインビザラインプロバイダーは歯列矯正するにあたっての判断材料の1つになります。

インビザラインプロバイダーの各ランクについて

インビザラインプロバイダーのライセンスは、以下の9つのランクに分けられています。
ランクによってそれぞれ名称は異なり、1番下で「ブロンズ」、最も高いもので「レッドダイヤモンド」というランクが付与されます。

  • ブロンズプロバイダー  症例数:1~10件
  • シルバープロバイダー  症例数:11~20件
  • ゴールドプロバイダー  症例数:21~50件
  • プラチナプロバイダー  症例数:51~100件
  • プラチナエリートプロバイダー  症例数101~150件
  • ダイヤモンドプロバイダー  症例数:151~400件
  • ブラックダイヤモンドプロバイダー  症例数:401~750件
  • ブルーダイヤモンドプロバイダー  症例数:751~1000件
  • レッドダイヤモンドプロバイダー  症例数:1001件以上

前述のように、年間のインビザラインの症例数に応じて、ステータスが決められる仕組みです。インビザラインの経験が豊富なドクターほど上位ランクが認定されます。

例えば、151件以上の症例数があると「ダイヤモンドプロバイダー」となります。ですが、翌年に症例数が90件まで減少したら「プラチナプロバイダー」にランクが下がるというわけです。

インビザラインは歯科医師の経験によって治療の精度が異なる治療のため、インビザラインで矯正治療を行う場合は上位ランクのドクターによる治療が望ましいです。

インビザラインプロバイダーは安心・安全のステータス

ご紹介したように、インビザラインプロバイダーは年間の症例数によってステータスが決まります。ただ、症例数は1年ごとにリセットされるため、ステータスも1年ごとに変動する可能性があります。

そしてインビザラインプロバイダーは世界共通のライセンスです。取得するにあたっての基準により、インビザライン矯正を行っている世界中の歯科医師はいずれかのステータスを獲得しています。
そのため、日本の歯科医師のステータスだけ高かったり、取得者が日本人のみのランキングというわけではありません。世界中のインビザライン矯正を行う歯科医師によって構成されるランクのため信頼性はとても高いです。

このように、インビザラインプロバイダーは安心性・安全性のあるライセンスです。
インビザラインは歯科医師の技術や経験によって治療の良し悪しが決まります。そのため、インビザラインを検討される場合、その歯科医院がどのステータスのインビザラインプロバイダーを取得しているのかをぜひ確認してみてください。なお、ダイヤモンドプロバイダー以上の上位ステータスを持っているかを基準に検討することをオススメします。

歯科医院を選ぶ基準・ポイント

歯列矯正の治療は、診療を担当する歯科医師の技術・知識・経験によって結果が大きく変わるため、矯正歯科選びは慎重に行う必要があります。ただ、インターネットで検索をすると無数の矯正歯科が表示され、インビザラインに対応している医院も増えていることから、何を基準に選択したら良いのか分からないのが現状といえます。

そのため、こちらでは上記のインビザラインプロバイダーを踏まえて、どのように歯科医院を選べばいいのかについてご紹介いたします。現在、検討中の方はこちらの基準を参考に、ぜひ矯正歯科を選んでみてください。

ダイヤモンドプロバイダーを取得しているかを確認する

昨今、技術の発展により、インビザラインは数ある歯列矯正の選択肢のなかでもメジャーなものになってきました。同時に、インビザラインを扱う歯科医院も増えているため、患者さんのなかでは「どこの歯科医院を選べばいいのか分からない…」なんてお思いの方もいるのではないでしょうか?そんな時に参考になるのが「インビザラインプロバイダー」です。

インビザラインプロバイダーは、前述のように症例数によって振り分けられたライセンスです。ステータスランク制度を設けることで歯科医院選びの分かりやすい基準となります。現在、インビザラインは診療プロセスの大半がデジタル化されているとはいえ、現場の歯科医師による技量に依存する部分も大きい治療法です。そのため、治療実績が豊富な歯科医師であれば歯列矯正の精度も高まります。

ステータスはあくまで基準点。ご自身の判断が重要。

上記のように、インビザラインプロバイダーは歯科医院選びにおいて重要なポイントの1つです。
ただ、皆さまに注意していただきたいのが、あくまでインビザラインプロバイダーが表すのは、歯科医師が取得しているステータスだけです。その歯科医院の優劣を決めているわけでは決してありません。

ステータスランク制度が認定しているのは「症例数」だけです。歯科医師だけが持つ知識や技術、経験、これまでにインビザライン以外にも矯正治療を施した患者さんの感想などは一切反映されていません。あくまでインビザラインプロバイダーは選ぶ際の基準点として捉えるようご注意ください。

また、他に注意していただきたいのが「症例数の数え方」です。ご紹介したように、インビザラインプロバイダーは症例数をもとにライセンスが振り分けられます。しかし歯科医院によっては、勤務する各歯科医師の症例数をすべて合計したり、運営する歯科医院グループ全体の実績数をもとに申請しているケースもございます。つまり、あなたの歯列矯正を担当する歯科医師の正当な症例数ではない可能性があるため、ステータスを確認する際には注意が必要です。

これらの点も踏まえた上で、インビザラインプロバイダーはダイヤモンドプロバイダーを基準に矯正歯科選びの材料のひとつとして利用できますが、よく注意して確認するようにしましょう。

対応している矯正の種類も把握しておく

インビザラインの矯正歯科を探す際には、ステータスのランクだけではなく、その他の矯正方法に対応しているか否かも選定基準に加えると良いでしょう。

インビザラインは主にマウスピースを用いて歯列矯正をします。一般的なワイヤー矯正とは異なる仕組みで歯並びを治しますが、それぞれの治療法には得意な歯並びと不得意な歯並びがあります。そのような点を踏まえると、両方の治療法に対応している歯科医院だと心強いです。

たくさんの矯正治療に対応しているということは、それだけ知識や経験を持ち、幅広い治療内容に対応できることを表します。もしも、インビザライン矯正を選んだ場合でも、治療の過程で万が一行き詰まった時、臨機応変により良い治療ができるのはインビザライン以外の方法にも精通している歯科医師であることは間違いありません。
また、ワイヤー矯正に対応している歯科医院であれば、インビザラインとコンビネーションで歯並びを治すという選択肢も提案できます。このようなことからインビザライン以外の矯正方法にも対応できるかの把握は大切です。

新規契約数を見る

あまり集計・公開している医院は多くはありませんが、「新規契約件数」を公開している場合は把握しておくことをオススメいたします。

通常、歯列矯正の治療が終了しない限り、予約枠は既存患者で埋まってしまうため、新規の患者さんは予約を取ることができません。そのようなことから、新規契約数が分かるということは、歯列矯正がきちんと終わった件数が分かるということなのです。

これが分かると、その歯科医院の治療完了率が分かり、純粋な治療経験や技術が分かります。

医院の治療姿勢を見る

前述のように、インビザラインプロバイダーは症例数によってランクが振り分けられますがランクがすべてというわけではありません。実際に、症例数を稼ごうと考えていなくても、素晴らしい技術を持った歯科医師はたくさんいらっしゃいます。

例えば、歯科医院によってはインビザラインと一緒にワイヤー矯正を併用して治療を行うところもあります。その歯科医院ではワイヤー矯正を中心に見ていることからインビザラインの症例数が少なかったとしても、必ずしもだから腕が悪いというわけではありません。ワイヤー矯正を併用することで、インビザラインだけでは治療できない症例に対応できたりするケースもございます。

最終的には、外からの見え方だけにこだわらず、患者様にとってベストな選択肢を選ぼうとしているのかという姿勢を見ていただけると良い歯科医院を見分けることができると思います。

治療姿勢を調べるにあたって口コミを確認するのは?

最近では、ネットやSNSなどに多くの方が口コミを投稿することができるようになりました。
実際に訪れた患者さんの客観的な評価・感想が書き込まれる口コミですが、昨今ではステルスマーケティング法規制などにより、口コミの信頼度は増しています。そのため、歯科医院を選ぶうえで口コミは大事な判断材料となります。

とはいえ、人によって感じ方・捉え方は様々です。
「良いことばかり書いてあるから安心」や「悪い評判ばかりだからやめておこう」と安易に判断したり、口コミを鵜呑みにすることはリスクがあります。

そのような点を踏まえて、口コミは参考にしつつ、実際に歯科医院を訪れ、先生やスタッフの対応、治療方針などを総合して判断するとよいでしょうただし、口コミを参考にするにあたって、下記のような医院は注意したほうが良いでしょう。

  • すぐに自由診療を勧めてくる
  • 歯科医師の患者に対しての態度が悪い
  • 歯科医師のスタッフに対しての態度が悪い
  • 被せ物が高頻度で取れる
  • 検査結果・治療計画を説明しない
  • 診療明細や領収書を発行しない
  • 歯の根元の治療が1年たっても終わらない

歯科医院を選ぶうえで口コミは重要な判断材料になります。しかし、口コミは注意深く判断する必要があります。参考にした上で、直接訪問したり、オンライン診療をし、担当となる歯科医師に相談することが望ましいです。

まとめ

インビザラインによる歯列矯正は、透明で目立ちにくいマウスピースで歯列矯正できることから、人気の矯正治療です。ただ、一方でインビザラインは歯科医師の高度なテクニックが要求されます。ワイヤー矯正と同様に、治療する患者さんそれぞれに合わせて、慎重に治療を進めていく必要があります。

そのため、インビラザラインを選ぶ際は、歯科医師がしっかりと経験があるのかを確認することがとても重要です。そのなかでインビザラインプロバイダーは実績を表すライセンスのため、歯科医院を選ぶ重要な基準となりますが、注意して判断する必要があります。

インビザラインでの歯列矯正治療は、どの歯科医院で治療を行うのか非常に重要なポイントです。歯科医院選びの際は、インビザラインのダイヤモンドプロバイダーのステータス以上を取得しているかや、様々な矯正治療に対応しているかなど、今回ご紹介したポイントを参考に検討してみてください。

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