バーチャルケアとは?インビザラインにおけるバーチャルケアについて解説

昨今、歯列矯正は従来からあるワイヤー矯正やマウスピースを用いたインビザラインなど、治療方法も増えました。しかし、これまでは、どの治療方法でも必ず歯科医院に通う必要がありました。

そんな中、現在は歯列矯正の治療をほぼすべてをオンラインで完結できる「バーチャルケア」が登場し、インビザラインによる診療はさらに進化を遂げました。
バーチャルケアによって、日々忙しくて定期的に調整に通う時間が無い方でも手軽に歯列矯正を始められます。今回は、そんなバーチャルケアの特徴やメリット、治療の流れなどについてご紹介いたします。

目次

バーチャルケアとは?

バーチャルケアとは、いわゆる「オンライン診療」のことです。

オンライン診療とは、予約から受診、支払いまでを一貫してインターネットで行える新しい診療スタイルです。インターネットの発展はもちろん、昨今のコロナウイルス感染の広がりに伴い、オンライン診療の普及は急速に進みました。

患者さんの中には「インビザラインに興味はあるけど、もっと気軽に相談できたら良いのに…」「歯列矯正したいけど、まずは相談してみたい」という方がいらっしゃるでしょう。現在はスマホやPCを用いて診察を行えば、歯科医院に行かずとも受診や相談ができます。

ご来院していただいた場合と同様に、バーチャルケアはオンラインにて歯科医師が口腔環境を拝見し、おおよその治療計画や治療期間をアドバイスします。バーチャルケアはこれまであった歯列矯正へのハードルの高さを下げ、安心かつ気軽にご相談いただけるものになっています。

また、バーチャルケアの場合、多くが専用のアプリ(「My Invisalign」というアプリ)を通して治療を行います。こちらはアライナーと呼ばれるマウスピースの交換時期やマウスピースの装着時間の管理が行える優れものなのです。

バーチャルケアのアプリでできること

前述のように、バーチャルケアは専用のアプリを通して診療を行います。アプリを通して行うことで、通常の通院による診療にはできないこともできるようになります。こちらではそのアプリによってできることをご紹介いたします。

いつでもどこでも診察を受けることができる

歯列矯正をバーチャルケアで進める場合、1番の特徴はどこでも治療が受けられることです。歯科医院に行かずとも、口内環境をスマートフォンで撮って送るだけでアプリ上で歯科医師に見てもらうことができます。いつでもどこでも受けられるため、仕事や家事などで忙しい方にも適しています。

また、送信後も歯科医師から直接コメントが送られてきますので、安全かつ安心して次のマウスピースに移行できます。

マウスピース(アライナー)の交換日を教えてくれる

基本的にバーチャルケアで歯列矯正を進める場合、患者さんご自身でマウスピースの管理や交換をしていきます。バーチャルケアはアプリを使うことで、歯科医師が指定した日数でマウスピースの交換時期の通知が来る仕組みになっています。そのため、忘れずに交換することができ、治療計画通りに歯列矯正を進めることができます。

写真が保存されるため、モチベーションにつながる

バーチャルケアはマウスピースの交換時期に歯科医師に写真を送ります。送るたびに写真がアプリ上に保存されていくため、始めたばかりの時の写真と今現在の治療経過を患者さんご自身で簡単に振り返ることができます。

インビザラインは患者さんの自己管理が必要な治療方法なため、モチベーションが治療を続けるうえで重要な要因と考えられます。しかし、アプリを通して治療期間中に歯が動いているのが分かることによって、患者さんのモチベーションにも繋がるため、アプリはとても重要な役割を担っているのです。

インビザラインをバーチャルケアで進めるメリット

前述のように、バーチャルケアはインターネットを通して進めることができる矯正治療です。そんなバーチャルケアにはどのようなメリットがあるのか、7つのポイントに沿って以下にご紹介いたします。

1.どこでも相談・診療ができる

バーチャルケアはいつでもどこでも担当医のオンライン診療予約をすることができます。 それがたとえ緊急時だったり、仕事と仕事の合間であろうと担当医にメッセージを送り、必要な場合はオンラインで診療することができるのです。また、診療の中で患者さんに不安なことがあれば気軽にスタッフとメッセージのやり取りができます。
このようにどこでも受診と相談ができるのがバーチャルケア・システムの1番の強みだと考えられます。

2. 待ち時間がない

バーチャルケアは歯科医院に行かずとも、どこでも受けることが可能ですので、歯科医院に着いても自分の番まで待たされるということがありません。忙しい方でも、気軽に受診いただけます。

3.24時間予約可能

多くのバーチャルケアの予約はネットで完結するかたちになっています。そのため、ご予約はもちろん、変更もご自身の好きなタイミングでできるのは強みの1つです。

4.移動時間や回数が少なくなる

前述のよう歯科医院に行かずとも、どこでも受診できますので、これまで億劫だった移動時間もありません。また、歯科医院によっては何ヶ月に1度は直接診てもらわないといけないとしても、通院回数が減りますので、患者さんのスケジュールに融通が利きます。

※推奨医院ではより精確で安全な治療を目的とし、6ヵ月に1度の通院をお願いしております。

5.キャッシュレスで支払いができる

バーチャルケアの多くがネットで完結するシステムになっていますので、お支払いもクレジットカードなどキャッシュレスで決済できることがほとんどです。

6.治療期間の軽減

インビザラインをバーチャルケアにて進める場合、週に1〜2回マウスピースの交換のたびに歯の動きをチェックします。治療計画通りに動いているのか、アライナーのフィッティングの評価を行います。 そのため、患者さんの治療計画が延長するのを未然に防ぐことができます。

7.より効果的な治療をサポート

インビザラインの交換時に口腔環境のチェックが受けられるため、歯の移動不足などを早期に発見し、治療のリカバリーが円滑に行うことができます。そのため、追加するマウスピース(アライナー)の減少、治療期間の短縮などに繋げることができます。

バーチャルケアによる受診の流れ

徐々に普及しつつあるバーチャルケア。
バーチャルケアで歯列矯正を進めるにあたって、どのような流れで行われるのか、その点についてこちらでは解説いたします。

バーチャルケアの初診の流れ・イメージ

こちらではそのバーチャルケアでの初診の主な流れについてご紹介いたします。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

STEP 1:お問い合わせ

初診をご予約いただくために、まずは一度ネットや電話にてお問い合わせする必要がございます(歯科医院によってお問い合わせ方法は様々です)。当日の流れや、使用いただくアプリケーションや注意事項についてもその際にご案内します。

なお、当院ではバーチャルケアの予約や当日の流れの説明についてはLINEにて行っております。
無料ですので、気になる方はこちらのバナーから友達追加し、ぜひお気軽にご予約ください。

STEP 2:初診相談

初診では「インビザラインに興味があるのですが…」「治療期間はどのくらいになりますか?」など患者さんの様々な相談やご要望にお応えいたします。画面を通じて患者さんの歯並びなど口腔環境をお見せいただいたあと、おおまかな費用や治療期間・計画をご説明します。

STEP 3:治療を検討

初診終了後、ご自宅で歯列矯正についてご検討いただき、「もう少し詳しく話を聞きたい」「治療を始めたい」という場合は、精密検査をご予約ください。

STEP 4:精密検査

口腔内検査やレントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯型の印象採得(口腔内3Dスキャナー)など、矯正治療に必要な検査を行います。ご不明点・ご要望などがありましたら、お気軽にご相談ください。

初診以降(再診)のバーチャルケアの主な流れ

こちらでは初診以降のバーチャルケアの流れについて紹介いたします。
バーチャルケアにご興味のある方は是非とも参考にしていただければと思います。

STEP 1:インビザライン・レンズを使って口内環境を撮影する

事前に専用のインビザライン・レンズ(患者さんの口腔内写真を撮影するための道具)をお渡しします。初診以降はそちらをお使いの上、患者さんご自身のスマートフォンを使って歯の写真を撮ります。

※撮影する際、必ずインビザライン・レンズをお使いください。

STEP 2:撮影した写真を送る

撮影後、アプリ内で撮影した写真を歯科医院に送信します。なお、写真撮影はアプリからの指示がありますので、そちらに従って行ってください。

STEP 3:歯科医院が写真を確認

歯科医師または専任のスタッフが送っていただいた写真を確認し、患者さんへ治療計画の進捗などについて返信します。

STEP 4:歯科医院から連絡が来る

返信が届き、何もなければ診療は終了です。そして数日後、マウスピースの交換時期にはアプリから通知が来ます。そして再度写真撮影をしていただきます。忘れないようご注意ください。

バーチャルケアのアプリ設定から診療まで

バーチャルケアには専用のアプリ「My Invisalign」が必要です。
こちらではそのアプリの設定の手順から診療までについて解説いたします。

STEP 1:招待メールからアプリをダウンロード

事前に歯科医院から招待メールをお送りいたします。
届いたメールから「My Invisalign」というアプリをダウンロードします。

STEP 2:アプリに必要な情報を入力し、登録する

ダウンロード後、患者さんの名前やメールアドレス、パスワードなどアプリに必要な情報を入力します。

※パスワードは大文字1つ以上、数字1つ以上、全部で8文字以上で設定する必要があります。そしてパスワードは忘れないように必ずメモをするなどして覚えていてください。

入力後、マウスピースの袋に表示されている氏名、ナンバー等を撮影または入力します。
(または、袋に掲示されているQRコードのスキャンします。)

STEP 3:PINコードを入力する

マウスピースの袋を撮影・入力またはQRコードを読み込んだ後、PINコード(4桁で患者さんの自由設定でOK )を入力してください。

※PINコードは今後も入力する必要があるため、忘れないようメモをするなどして覚えていてください。

これで「My Invisalign」の設定は終了です。

STEP 4:口内環境の写真撮影とマウスピースの交換

次にアプリ内の右下にある『マイケア』をクリックしてください。なお、マウスピースの交換時期になりましたら、この『マイケア』から連絡が入ります。そしてこれまでに使用していたマウスピースで写真撮影を行ってください。
交換日になりましたら、写真撮影後、新しいマウスピースに交換し、次の診療まで装着してください。

※アプリから撮影について指示がありますので、そちらに従って行ってください。

STEP 5:撮影した写真の送信

アプリ内での指示に従って、以下のような規定写真を11枚撮影し、アプリ内から送信してください。(送信いただいた写真はクリニックに届きます。)

お送りいただいた写真を歯科医師や専任の歯科衛生士がチェックし、3段階評価で判断したり、コメントをお送りいたします。
なお、アプリ内にクリニックからのコメントが届きます。


このような流れでバーチャルケアは進んでいき、患者さんは通院せずとも安心して歯列矯正ができるようになります。そしてそれを歯科医師はアプリを通じてサポートしていきます。

バーチャルケアでの写真撮影の仕方・注意点

バーチャルケアではマウスピースの交換毎に必ず「My Invisalign」アプリ内から写真撮影を行う必要があります。 しかし、バーチャルケアを開始したばかりの方や始めてはいないが興味のある方は撮影する工程がどういったものか分からなかったり、操作方法が分からず不安かもしれません。
こちらではその写真撮影の仕方や流れをご紹介いたします。

STEP 1:アプリを開き、写真撮影の準備を進める

バーチャルケアは定期的に写真撮影を行う必要があります。写真撮影するにあたって、前述のように「My Invisalign」のアプリを入れ、準備を行います。アプリを入れ、開いた後の手順は以下のようになります。

「My Invisalign」アプリ内の『マイケア』
→『写真マーク』
→ アプリの指示に従って専用インビザライン・レンズを使いながら写真撮影する

※専用インビザライン・レンズはクリニックからお渡しします。
※撮影はできるだけ明るい場所で行ってください。 また、撮影時は鏡を用意していただくと、スムーズに撮影が行えます。

STEP 2:マウスピースを装着し、咬んでいない状態の写真を撮る

マウスピースを装着した状態で、インビザライン・レンズを装着し、咬んでいない状態で3枚撮影します。

1枚目:正面の撮影
2枚目:インビザライン・レンズは左へ引っ張りながら顔は右側の状態の撮影
3枚目:インビザライン・レンズは右へ引っ張りながら顔は左側の状態の撮影(合計3枚)

STEP 3:マウスピースをはずし、口を開けた状態の写真を撮る

マウスピースをはずした状態で、インビザライン・レンズを装着し、口を開けた状態で3枚撮影します。

1枚目:正面の撮影
2枚目:インビザライン・レンズは左へ引っ張りながら顔は右側の状態の撮影
3枚目:インビザライン・レンズは右へ引っ張りながら顔は左側の状態の撮影

STEP 4:マウスピースをはずし、咬んだ状態の写真を撮る

マウスピースをはずした状態で、インビザライン・レンズを装着し、かんだ状態で3枚撮影します。

1枚目:正面の撮影
2枚目:インビザライン・レンズは左へ引っ張りながら顔は右側の状態の撮影
3枚目:インビザライン・レンズは右へ引っ張りながら顔は左側の状態の撮影

STEP 5:マウスピースをはずし、上下の歯の状態を写真で撮る

マウスピースをはずした状態で、インビザライン・レンズを装着し、上下の歯の状態を2枚撮影します。

1枚目:上の歯の撮影
2枚目:下の歯の撮影

STEP 6:撮影した写真を確認し、問題なければ送信する

合計11枚の撮影した写真を確認し、キチンと撮れていれば『送信する』のボタンを押します。(相談事項があれば、歯科医師にメッセージを送ることもできます)

送信後、クリニックから3段階評価や返事が届きます。これでバーチャルケアでの写真撮影・受診は終了です。

まとめ

このように、バーチャルケアには多くのメリットがあります。「仕事や家事に忙しくて時間がない、でも歯列矯正を診てもらいたい…」と考えている患者さんにとってバーチャルケアはとても適した診療方法です。

そしてバーチャルケアはアプリを通して治療を進めます。アプリはこれまでの経過を写真で確認できたり、マウスピースの交換時期を教えてくれます。通常、インビザラインは自己管理が必要ですが、バーチャルケアはアプリのサポートを受けつつ行えるため、計画通りに歯列矯正を進めることができます。

また、インビザラインをバーチャルケアで受ける場合、週1~2回の経過観察をする必要があります。そのため、不安な点やご要望があればなんでも相談できる、安心して治療を任せられると思う歯科医院を選ぶことが必要です。
今回ご紹介したことを踏まえて、ご興味のある方は1度バーチャルケアについて歯科医院に相談してみてください。

なお、当院ではオンライン診療の予約をLINEにてスタートいたしました。
気になる方はこちらのバナーから友達追加し、ぜひお気軽にご予約ください。

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