インビザライン矯正の治療期間って、どのくらい?
透明なマウスピースによって治療を進めていくインビザライン。昨今、多くの方から人気を得ている矯正方法ですが、中には「治療期間はどれくらいかかるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
この記事ではインビザライン矯正の治療期間やその期間に影響を与える要因、ほかの矯正方法との比較など詳しく解説します。検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
インビザラインの平均的な治療期間
インビザラインの治療期間は個人差がありますが、一般的には約12〜18ヶ月が目安とされています。軽度の歯並びの乱れであれば6ヶ月程度で治療が終わることもありますが、複雑な症例では2年以上かかることもあります。治療期間の長さは、歯並びの状態や治療の難易度、アライナー(マウスピースのこと)の装着時間の遵守など、多くの要因に影響されます。
理想の歯並びにするためには、治療開始時に歯科医師とよく相談し、治療計画を立てることが重要です。治療が進む中で、歯並びの進行具合をチェックしながら、必要に応じて治療計画を調整していきます。
インビザラインの種類別の治療期間
治療プラン | 症状 | 治療期間目安 |
エクスプレス | ちょっと気になる歯並びのズレなど | 3~4ヶ月程度 |
ライト | 少しガタガタしている歯並びなど | 10ヶ月程度 |
モデレート | 歯のがたつき、すきっ歯など 大きく噛み合わせを変えない中度の症状など | 1年程度 |
コンプリヘンシブ | 重度の歯並びのズレなど、 あらゆる歯並びの悩みに | 1年半~3年程度 |
インビザラインにはいくつか治療プランがあり、治療期間はそれぞれのプランにより異なります。代表的なものに「エクスプレス」「ライト」「モデレート」「コンプリヘンシブ」などがあります。
4種類の中でも「コンプリヘンシブ」は、最も多く使われるプランで、全体的な歯並びを整えるために最も多くのマウスピースが必要です。この治療には通常、12〜18ヶ月の期間がかかります。また複雑な症例の場合、さらに長くなることもあります。
一方、「モデレート」の治療期間は1年程度、「ライト」は6〜9ヶ月程度、「エクスプレス」は4〜6ヶ月とそれぞれ治療期間が異なります。そのため、歯科医師と相談して自分に最適なプランを選ぶことが重要です。
インビザラインの治療期間に影響する要因・症例
インビザラインの治療期間は、患者一人一人の状態や状況によって大きく異なります。特に以下の要因が治療期間に影響を与えます。
①歯並びの状態
歯並びの状態は、治療期間を決定する最も重要な要因の1つです。
軽度な歯並びの乱れであれば、治療が短期間で終了することが多いですが、歯が大きくずれている場合や噛み合わせに問題がある場合、治療期間が長くなることがあります。特に抜歯が必要な複雑な矯正の場合、患者さんによっては治療が数年かかることもあります。
②年齢
年齢も治療期間に影響を与える要因の1つです。
一般的に、若年層は歯がよりスムーズに動きやすいため、治療が短期間で終わることが多いです。
一方で、大人の場合は、骨の成長が終了しているため、治療に時間がかかることがあります。インビザラインは成人にも適応できるため、十分な効果が得られますが、若年層と比較すると若干時間がかかる場合があります。
③装着時間の遵守
インビザラインの治療効果は、アライナーと呼ばれるマウスピースをどれだけ長時間正確に装着するかが大きく影響を与えます。
基本的に1日20〜22時間の装着が推奨されており、この時間を守らないと治療期間が延びる可能性があります。また、マウスピースを交換するタイミングを守ることも重要です。計画通りに装着し、指示通りに交換することで、最短の治療期間を実現できます。
以上の要因を踏まえて、インビザラインの治療期間は、患者の状態や治療方法によって柔軟に調整されます。治療を始める前に歯科医師としっかりと相談し、最適な治療計画を立てることが成功への近道です。
インビザラインとワイヤー矯正、どっちが早く治る?
歯列矯正の治療方法はインビザライン以外にもワイヤー矯正などさまざまな方法があります。各治療方法によって治療期間はもちろん、対応できる症例や特徴なども異なります。
こちらでは治療期間を中心にインビザラインとワイヤー矯正を比較して解説していきます。
インビザラインとワイヤー矯正の特徴比較
特徴 | インビザライン | ワイヤー矯正 |
治療方法 | 透明なマウスピースを使い、歯を移動させる | 歯にブラケットとワイヤーを固定し、歯を動かす |
取り外し可否 | 取り外し可能 | 取り外し不可 |
審美性 | 透明で目立たないため、審美的に優れている | ブラケットとワイヤーが目立ち、審美性が劣ることがある |
痛みの程度 | 治療期間中の痛みが比較的少ない | ワイヤー調整時に痛みや不快感を感じることがある |
インビザラインと従来の矯正方法にはそれぞれ異なる特徴があります。
インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる方法で、取り外しが可能なので、口腔内の衛生を保ちやすいです。そして治療期間中の痛みが少ない特徴があり、患者さんにとって大きなメリットとなります。
一方、ワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーを取り付けて固定する方法です。この方法は、歯の動きが大きく、複雑な歯並びに対応するのに有効です。しかし、ワイヤーが目立つため、審美的に気になる方もいます。また、取り外しができないため、食事や歯磨きがやや不便です。
インビザラインは、見た目を気にせず治療したい方や、衛生面を重視する方に適していますが、治療方法を選ぶ際は、自分の歯並びやライフスタイルに合わせて検討することが重要です。
インビザラインとほかの矯正方法の治療期間比較
特徴 | インビザライン | ワイヤー矯正 |
治療期間 | 約1年〜1年半 | 約2年〜3年 |
治療の効率性 | 計画的に歯を動かし、効率的に進行することが多い | 複雑な歯並びに対応するため、治療が長期化するケースがある |
適応症例 | 軽度〜中度の歯並びの乱れに効果的 | 複雑で大きな歯並びの問題に効果的 |
複雑な歯列の対応 | 歯並びが非常に複雑な場合は、 治療期間が長くなるケースがある | 複雑な歯列に対して非常に効果的で、 複数の歯を同時に動かせる |
患者さんの歯の状態や目指す治療結果によって異なりますが、一般的にインビザラインの方がワイヤー矯正よりも短期間で治療が終わることが多いです。
インビザラインはほかの矯正方法と比べて、計画的に歯を動かすため、効率的に進められることが多く、治療期間は1年から1年半程度が目安です。ただし、歯並びが非常に複雑な場合、ワイヤー矯正と同程度の期間が必要になる場合もあります。
一方でワイヤー矯正は、一般的に2年から3年程度の治療期間が必要です。ただ、その分複雑な歯列に対して非常に効果的であり、複数の歯を同時に動かすことができます。そのため、治療が長期化することがある一方、精密な治療が可能です。
このようなことから、インビザラインは治療期間が短く済む矯正方法ですが、患者さんの状態に応じて最適な方法を選択することが重要です。事前に歯科医師と相談することを心がけましょう。
インビザラインの治療期間が長引いてしまう原因
治療期間は患者さんの症例に強く影響されるため個人差がありますが、当初の計画以上に長引いてしまうこともあります。以下で紹介する5つの原因によって、治療が延びることがあるため、注意しましょう。
①抜歯が必要な場合
インビザライン治療では、歯の位置を調整するために抜歯が必要な場合があります。特に歯が密集している場合や、顎のスペースが不足している場合、歯を抜くことで治療がスムーズに進みます。
しかし、抜歯後には歯茎が安定するまでの時間が必要です。このため、抜歯を行った場合は治療開始から治療終了までの期間が長くなる可能性があります。また、抜歯後の歯の移動にも時間がかかることがあり、その分治療期間が延びることになります。
抜歯によるスペース確保が完了してから本格的な歯並びの調整が始まるため、最終的な治療完了まで時間を要することがあるため、注意しましょう。
②マウスピースの装着時間が不十分だった
インビザライン治療では、マウスピースを1日20時間以上装着することが推奨されています。ただ、装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、治療が予定より長引く原因となります。
患者さんがマウスピースを着ける時間を守らないことで、歯の移動が遅れ、治療の進行が遅くなります。また、マウスピースを装着している時間が短いと、次のステップに進むための歯の位置が整わず、全体の治療期間が延びることがあります。
そのため、治療計画を守ることが、スムーズな治療に繋がるため、装着時間を把握してマウスピースを付けるようにしましょう。
③治療期間が長引く歯並びだった
歯並びの状態によって、インビザライン治療の期間が長引くことがあります。
特に歯が強く傾いていたり、顎の位置に問題があったりする場合、歯を動かすために必要な力が大きくなるため、移動に時間がかかります。また、複雑な歯並びや噛み合わせの問題がある場合、治療計画が長期化する可能性もあるでしょう。
歯が重なり合っていたり、歯の間に隙間があったりすると、歯をきれいに並べるために微調整が必要になることが多いです。そのため、最初の計画よりも治療期間が延びることもあるので、事前に歯科医としっかりと相談し、予測される期間を確認することが重要です。
④口内トラブルが発生した
治療中に口内トラブルが発生すると、治療期間が長引いてしまうことがあります。
マウスピースを装着していると、歯茎や口内に擦れて痛みが生じることがあります。そこから痛みや炎症が発症すると、場合によっては治まるまで治療を続けることが難しくなり、治療期間が延長されることがあります。
また、虫歯や歯周病などの口腔内の問題が発生した場合、これらのトラブルが治療計画に影響を与え、歯科医師が治療を一時的に中断することが必要になることもあります。治療の進行が遅れるため、口内トラブルが発生しないよう日々のケアを怠らないことが大切です。
⑤仕上がりに納得できず、治療を継続する
インビザライン治療の終了後に、仕上がりに満足できない場合、治療を続けることがあります。
例えば、歯並びがまだ理想通りに整っていない、または微調整が必要だと感じた場合、追加の治療を行うことがあります。これにより、治療期間が延びることがあります。
また、治療が進むにつれて、患者さんご自身が思っていた以上に細かい調整を求めることがあり、その結果として治療期間が延びることがあります。そのため、歯科医と患者さんが最終的な仕上がりに満足するまで調整やコミュニケーションを重ねることが、理想的な結果を得るために重要なポイントです。
インビザラインの治療期間を短くするために重要なポイント
患者さんの多くの方が、治療期間をできるだけ短縮したいと考えています。治療期間を短縮するためには、治療計画や患者さんご自身の努力が大きな役割を果たします。
こちらでは、治療期間を短くするために重要なポイントを具体的に紹介し、効果的な矯正を進めるためのヒントをお伝えします。
①マウスピースの装着時間や使用方法をきちんと守る
インビザライン治療を効率よく進めるためには、マウスピースの装着時間を守ることが非常に重要です。
例えば、装着時間が15時間程度にとどまると、治療期間が1.5倍以上長くなることもあります。マウスピースは食事や歯磨きの際に取り外しますが、それ以外の時間は装着を続けるよう心がけましょう。特に、睡眠中に装着しておくと、自然に装着時間を確保できます。
装着時間をしっかり守ることで、歯は計画通りに動き、治療期間が短縮されます。治療効果を最大化し、スムーズに進行させるためには、毎日決まった時間にマウスピースを着けるよう心がけましょう。
②マウスピースの交換時期を守る
インビザライン治療では、定期的にマウスピースを新しいものに交換することが重要です。この交換を遅らせると、歯の移動が計画通りに進まなくなり、治療が長引く原因となります。
マウスピースは歯の位置に合わせて微調整されており、適切なタイミングで交換を行うことで、歯の動きがスムーズに進みます。治療開始時に医師から渡されるマウスピースは、通常1〜2週間ごとに交換する必要があり、使用期間が長すぎると歯の移動が不十分になります。
治療計画に従い、定期的に交換することで、効率よく治療が進み、最終的な仕上がりに大きな差が出るため、交換タイミングを守ることが大切です。
③口の中の衛生環境やマウスピースを清潔に保つ
インビザライン治療中は、口腔衛生の維持が非常に大切です。
治療期間中に歯や歯茎の問題があると、治療が遅れる可能性や、歯の動きに支障をきたすことがあります。定期的にクリーニングを受けたり、丁寧な歯磨きでのケアで治療を妨げないよう注意しましょう。
また、マウスピースを清潔に保つことも重要です。食べ物の残りカスや汚れが付着すると、歯の動きに悪影響を及ぼすことがあります。マウスピースは使用後に専用のクリーニングジェルやぬるま湯で洗い、しっかり汚れを落としましょう。
このように、歯科医師による定期的なメンテナンスとマウスピースを清潔にすることで、虫歯や歯茎の炎症を防ぎ、治療を順調に進めることができます。そして健康な口腔環境が整えば、治療期間の短縮も期待できるため、清潔に保つよう日頃から意識しましょう。
④定期的な検査を受けて、調整していく
インビザラインの治療中は、定期的に歯科医院で検査を受けることが不可欠です。
診察を通じて治療の進捗を確認し、必要に応じてマウスピースの調整を行うことで、治療の効率を上げ、期間を短縮できます。治療が進むにつれて、歯の位置に応じた微調整が必要となることがあるため、定期的な検査を怠らないことが大切です。
治療計画通りに進んでいない場合や、歯の動きが遅れている場合は、早期に問題を発見して対処することで、治療が長引くのを防げます。歯科医師と密に連携を取りながら、マウスピースの調整や治療方針の見直しを行うことで、スムーズに治療を進めることができます。
定期的な検査を受け、治療期間を効率的に進め、治療期間を短縮させていきましょう。
⑤ほかの矯正方法を併用する
インビザラインは、ほかの矯正方法を組み合わせることで、治療期間の短縮が可能な場合があります。
例えば、ワイヤー矯正は歯の大きな移動を行えるため、インビザラインだけでは時間がかかる場合にも効果的です。そのため、ワイヤー矯正や部分矯正を併用することで、複雑な歯並びや噛み合わせに対して早期に対応できます。
また、部分矯正を取り入れることで、特に改善が必要な部位に集中して治療が行えます。そのため、効率よく矯正が進められるのです。
治療方法や併用法については、歯科医師と十分に相談し、自分に合ったプランを選択することが重要です。適切な治療の組み合わせを行うことで、効果的に治療を進め、期間を短縮することが可能です。
まとめ
インビザラインの治療期間は患者さんの症例によって異なりますが、一般的に約12〜18ヶ月かかるとされています。
そして痛みが少なく、取り外しができるメリットがある反面、装着時間や交換時期、清潔に保つ努力が必要となります。
インビザラインは患者さん自身の症状やライフスタイル、優先事項を踏まえて選ぶ必要があります。そのためには、歯科医師との十分な相談が大切です。ご検討されている方は歯科医院に相談し、理想とする歯並びを手に入れましょう。
当院では無料のカウンセリングを行っています。ご来院による診察はもちろん、LINEによるご相談やご予約も承っております。
そして当院では矯正治療に加え、一般歯科治療もご提供しております。もし治療中に歯に関する問題が発生した場合でも、当院の歯科医師と歯科衛生士が迅速かつ適切に対応いたします。
インビザラインをご検討されている方は、ぜひご相談ください。