インビザラインの費用相場は?作り直しの費用は? 費用について総まとめ 

現在、歯列矯正の中でマウスピースを用いた歯列矯正「インビザライン」はとてもメジャーとなりました。インビザラインは多くの症例に適用できるうえ、取り外し可能で、周りから目立ちにくいといったメリットがございます。

しかし、インビザラインだけでなく、ワイヤー矯正など歯列矯正はどうしてもお金がかかるイメージがあります。そのことから、多くの患者さんは歯列矯正においての費用が気になるのではないでしょうか?
この記事では、インビザラインの治療費用、支払い方法などについて詳しく紹介してまいります。

目次

インビザラインの平均費用

まず、インビザラインの平均的な費用ですが、部分矯正か全体矯正なのかで異なります。前歯部の部分矯正で約30万円から40万円、全体矯正では約70万円から110万円程度です。

ただし、これらの費用はあくまで一例であり、実際の費用は各患者さんの口腔内の状態や治療計画によって異なります。

インビザラインの費用の内訳

こちらではインビザラインの費用の各内訳についてご紹介いたします。インビザラインの費用は主に6つに分けられます。

①精密検査料 : 30,000円程度

口腔内検査のほかにレントゲン撮影、顔や口の中の写真撮影、矯正装置を作成するため歯の型どりをする専用スキャナによる3Dスキャンなどのデータ採得費用です。精密検査料については無料にしている医院もございますので、歯科医院選びの際は上手く活用することもオススメします。

②矯正装置料

矯正装置料は、インビザライン治療において、マウスピースの製作や治療に必要な材料費をカバーするための費用です。
インビザラインの矯正装置料は、患者の症例の複雑性や治療期間によって異なりますが、分かりやすくお伝えするとアライナーと呼ばれる矯正装置を製作する枚数によって大きく左右されます。前歯部など部分矯正と比較し、全体矯正の方は治療期間が長く、使用するアライナーの枚数も多くなるため、矯正装置料に金額差があるとお考え下さい。

③矯正調整料 : 3,000円〜8,000円程度

矯正調整料は、インビザライン治療中に定期的に行われる調整やフォローアップの際に発生する費用です。
この料金は、以下のような目的に使用されます。

  • 定期的な診察: 治療の進捗を確認し、必要に応じてマウスピースの調整
  • 治療計画の更新: 患者さんの歯の動きに合わせた治療計画の更新
  • マウスピースの調整: フィット感や効果を最大化するため、マウスピースの調整

④追加アライナー料 : 10,000円~30,000円程度

実際の歯の動きが当初の計画よりもズレが生じてしまった場合、マウスピースを追加する際にかかる費用

⑤リテーナー料 : 20,000円~40,000円程度

矯正治療後の歯並びの戻りを防ぐために使用する保定装置(リテーナー)にかかる費用

⑥抜歯費用

歯列矯正をするにあたって必要な場合は別途費用が発生します

アライナー枚数と具体的な費用例

前述のように、インビザラインにおいて、アライナーの枚数は費用に大きく関わってきます。
こちらではアライナーの各枚数とその費用、治療期間の大まかな目安をご紹介いたします。是非参考にしてみてください。
※下記費用は審美矯正グループの費用を抜粋 
※記載料金は基本的に追加料金が発生しない総額制で記載

①エクスプレス
・アライナー枚数目安:7枚以内
・治療期間目安:3~4ヶ月程度
・適応症例:後戻り症例などごく軽度の不正歯列、プチ矯正、ちょっと気になる歯並びのずれに
・料金:330,000円(税込)※月額 4,406円〜(84回分割払い)

②ライト
・アライナー枚数目安:14枚以内
・治療期間目安:10ヶ月程度
・適応症例:軽度の不正歯列、軽度の噛み合わせの悩みや、少しガタガタしている歯並びに
・料金:550,000円(税込)月額 7,391円〜(84回分割払い)


③モデレート
・アライナー枚数目安:26枚以内
・治療期間目安:1年程度
・適応症例:中度の不正歯列、大きく咬み合わせを変えない中度の症状に
・料金:770,000円(税込)月額 10,348円〜(84回分割払い)

④コンプリヘンシブ
・枚数目安:枚数制限なし
・治療期間目安:1年半~3年程度
・適応症例:重度の不正歯列、あらゆる歯並びの悩みに
・料金:990,000円(税込)月額 13,299円〜(84回分割払い)

総額制と処置別支払い制

インビザラインの正確な費用を知る上で、各歯科医院の料金が総額制」と「処置別支払い制」のどちらで表記されているかを確認することは重要なポイントです。こちらではその「総額制」と「処置別支払い制」についてご紹介いたします。

総額制

総額制とは、患者さんが治療をスタートされる時点で、「矯正装置料」、「矯正調整料」、「追加アライナー料」などを含めて矯正治療にかかる金額すべてをまとめて支払うかたちを指します。治療費用をまとめて払うかたちのため、追加料金が発生しにくいというメリットがあります。

しかし、一括でのお支払いとなると、患者さんにとってはかなり高額な出費となってしまいます。一度に大きな金額を支払うことに不安がある場合は、歯科医師と相談して分割払いをしたり、月々継続しやすい費用で継続できるデンタルローンを活用されてもよいと思います。

デンタルローンは歯の治療のためのローンで、低金利かつ医療費控除の対象ともなります。返済期間も最大7~8年と、無理なく計画的に返済することができます。デンタルローンを導入しているクリニックであれば、窓口で簡単に手続きできます。

ただし、デンタルローンの注意点として、金利があることや、デンタルローンを取り扱っていない歯科医院があります。その場合は個人で申し込む必要がありますので、ご利用の際は、担当の歯科医師に確認や相談をすることをオススメします。

処置別支払い制

処置別支払い制とは、治療開始時点では、主に「矯正装置料」を支払い、「矯正調整料」や「追加アライナー料」は定期的な診療ごとに支払いをするという方法です。初期費用を抑えることができるメリットがある反面、治療をスタートした後にかかる費用については、事前に把握しておく必要があります。

例えば、インビザラインの矯正治療期間中は、口内炎が出来やすくなってしまったり、アライナーを装着したまま食事や清涼飲料水を飲んでしまったりすることで、虫歯になるリスクも高まる傾向がございます。

総額制・処置別支払い制を問わず、定期的な歯科医師、歯科衛生士による口腔内のメインテナンス費用に関しては、1,000円~3,000円程度の費用を払ってでも、口腔内環境を良好な状態で維持しつつ、矯正治療を進められることをオススメします。

インビザラインは作り直しで費用がかかるケースがある?

長時間マウスピースを付けることで歯列矯正していくインビザラインですが、治療経過や口腔環境などによってはマウスピースを作り直さなければいけないケースがあります。作り直す場合は別途費用がかかるため、こちらでは作り直さなければいけないケース4つをご紹介いたします。

インビザラインを作り直す4つのケース

①歯並びや咬合の予期せぬ変化: 治療中に予想外の歯の動きがあった場合。

②不適切なフィット感: 製作したマウスピースが正しくフィットしないことで、治療効果が得られない場合。

③マウスピースの破損や紛失: 物理的な損傷や紛失により、新しいマウスピースが必要になった場合。

④治療計画の変更: 患者のニーズや歯の状態の変化により、計画を見直す必要がある場合。

作り直しの費用について

インビザラインの作り直しにかかる費用は、その理由や状況によって異なりますが、以下の要素が影響します。

  • 治療の複雑度 :  作り直しに必要な処置の数や難易度
  • 歯科医院の方針 :  クリニックによって異なる料金設定や保証体系
  • 追加の治療 :  作り直しに伴う追加の治療が必要な場合
  • 具体的な費用は、数万円から数十万円に及ぶことがある

治療を行うクリニックや個々の症例によって大きく異なるため、作り直しにおいての具体的な金額については担当の歯科医師に治療開始前に相談することが重要です。

作り直しを避けるための予防策

上記のように、インビザラインの作り直しは数万円から数十万円に及ぶことがあります。インビザラインの作り直しを避けるためには、以下のような予防策が有効です。

①適切な装着とケア :  マウスピースは指示に従って適切に装着し、定期的に清潔に保つことが大切です。

②定期的なチェック :  定期的な歯科医院の訪問で、治療の進行状況をチェックし、問題があれば早期に対処します。

③歯科医師の指示に従う :  治療計画に沿ってマウスピースを使用し、歯科医師のアドバイスに従うことが重要です。

④食生活の注意 :  硬い食べ物や着色を引き起こす飲食物を避けるなど、食生活に気を付けましょう。

インビザラインの費用を抑える方法

ここまでインビザラインの費用についてご紹介いたしましたが、インビザラインは決して気軽に受けられる値段設定ではありません。しかし、「どうしても歯並びが気になる…」「費用を抑えてでも歯列矯正がしたい」という方もいらっしゃると思います。
その点を踏まえ、こちらではインビザラインにおいて費用を抑える方法をご紹介いたします。

全体矯正ではなく、部分矯正にとどめる

前述のように、全体矯正よりも部分矯正の方が費用の負担は軽いです。そのため、患者さんの希望や口腔環境次第ではありますが、部分矯正にすることで、約30万円から40万円に費用を抑えることができます。また、部分矯正にすることで、気になる部分のみ矯正をするため矯正期間も短く済みます。

ただし、部分矯正ができる方は条件が限られています。歯を動かす際のスペースの確保が難しい場合は可能性が高いです。まずは歯科医師に確認と相談することをオススメします。

医療費控除を受ける

基本的に歯列矯正は保険適用がされるケースは限られており、大半が自由診療となります。ただし、治療目的が「歯並びのため」であれば医療費控除を受けられます。

医療費控除を利用すれば、矯正治療にかかったお金が所得から控除され、一部返却されます。
ただし、外見のために行った矯正治療は対象外です。治療目的が歯列矯正であれば、医療費控除の対象になりますので、領収書はすぐに捨てずに取っておきましょう。

マウスピースの装着時間を守る

インビザライン矯正をするにあたって、1日あたり食事・歯磨き以外で約20時間マウスピースを装着しなければいけません。20時間マウスピースを装着しなかった場合、矯正期間が長引く原因になり、前述のように追加でマウスピースを作成したり、作り直しになったりと、余分にお金を払うことになります。
できるだけ費用を抑えるためには、装着時間を守り、計画通りに治療が進むようにしましょう。

トータルの治療費を明示している歯科医を選ぶ

インビザラインを始めるにあたって、治療費を明示している歯科医を選ぶことも費用を抑える1つの方法です。

インビザラインの治療費設定は歯科医によって異なります。初めから調整費用や、マウスピースの制作費を含めた料金設定になっているところもあれば、診察のたびに費用がかかる医院もあります。矯正治療は治療期間が2年〜となることはよくあり、診察のたびに費用がかかっていると、思った以上に高くなってしまう可能性があります。
一方、初めから費用が決まっているところであれば、追加料金は発生しません。そのため、費用を抑えたい方は、トータルの治療費を明示している歯科医を選んでみてはいかがでしょうか?

まとめ

このように、インビザラインの費用は各患者さんの状態や治療計画によって異なりますが、一般的には30万円から110万円程度が費用の目安です。

しかし、治療計画の進捗状況によっては、作り直しなどさらに費用が掛かる恐れがあります。事前に作り直しが起きた場合の医院の方針を確認したり、作り直しを避けるために、適切なマウスピースの装着と口腔ケア、定期的なチェックを欠かさないことをオススメします。

ただ、最も大切なことは、一度は歯科医院に足を運び、カウンセリングを受けることです。インビザラインは高額な費用がかかる矯正治療ですので、担当された歯科医師が、治療計画と費用について丁寧に説明し、信頼に値すると感じられるかが重要です。

後悔のない歯列矯正を始めるためにも、カウンセリングを受けたり、費用相談や精密検査料が無料の歯科医院に相談することが大切です。

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